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痛みを作る

 

永年痛みに関わっていると、その不思議に出会うことが有る。

老人施設に入所するクライアントのお母さん、年齢は88歳認知症が進み、記憶力の衰えが顕著で、少し前のことも残らない。

そのお母さんが、施設で転倒、大腿骨を骨折、人工関節を入れる手術をした。
数日違和感を訴えるも、手術が上手かったのか、ほとんど痛いと言わないらしく、当然自分が手術をしたことは、記憶には残っていない。


術後すぐに始まったリハビリも順調で、積極的に取り組んでいるらしく、そこでも痛みを恐れる様子がない。
ただ、まだ患部は治り切っていないため、付き添いのない歩行は禁じられている。
でも、手術をしたことを忘れてしまっているため、目を離すと一人で歩こうとするのが困るとの事。

ひざを痛めた方に多いのが、痛みを、予測、恐れるために、一歩足を出す時に痛めた足に力が入れられない。
それがかえって、膝の不安定に繋がり、痛みを感じ、痛みを感じる為さらに力が入らない。

そんな場合には、仰向けに寝て体重をかけない状態で意識的に足に力を入れてもらう、それを何回か繰り返すと、力を入れてもいたくないことを体感、その後、立ち上がり、ゆっくり一歩を踏み出すと、あら不思議痛みはほぼゼロ、それを繰り返すうちに、痛みはなくなる。

腕を上に伸ばそうとすると痛みのせいで伸ばせない肩の痛み。
そんな方でも、「ハイ息を吐いて」と言いながら腕をあげると、あら不思議「伸びた」ってことも有ります。
息を吐くことに意識が向け、痛みを忘れた瞬間に伸ばす。
催眠ではありません。
「痛いはず」という呪いを解くだけです。

と言う事で

意識が患部に集中する為か?ただの想像力なのか?はよくわかりませんが、

痛みは、気持ち!恐怖や不安の強い影響を受けているのです。

それをコントロールするのが、当院の施術です。

追伸・・・当然ですが、全てが、これで解決するわけではありません。