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疾病逃避
当院の来院者の方に
「整形外科でCTやレントゲンの検査では何も原因が見当たらないので痛み止めとシップをもらったけど良くならず。接骨院に行ったら身体の歪みが原因なので通うように言われたけど3か月通っても痛みは変わりません」
と言う方が来られます。
レントゲンやCTに問題が見当たらないのは器質的な原因ではないと考え、3か月機能的な原因に対してのアプローチ(整骨院でのアプローチが機能的な原因に対してとの前提で)をしても改善が見られない場合は、心因に目を向ける必要が有ります。
ブログの中に夏樹静子さんの腰痛体験について書きましたが、この心因による痛みがなかなか厄介で、治療院を探し回る「ドクターショッピング」につながることが往々にしてあります。
最初は期待、初物効果、プラシボー効果などで少し改善しますが、それも長続きせず、すぐに他の治療院を探すことになります。
心因による痛み、身体の不調、これを、「疾病逃避」と言います。
「疾病逃避」とは、心が受けた痛みや、心が受けるであろう痛みを身体が察知し、こころが壊れることを避けるために、身体に疾病を生み出すことを言います。
特徴は慢性的な痛みであり、その強さは、心の変化に比例して強弱する事です。
人の身体において一番激しく、早く変化するのは「こころ」です。
それが原因であれば、いくら身体に処置を施しても、心因が解消されない限り、『変化しながら、いつまでも存在し続ける』のです。
そして、厄介なのが、患者が心因であることを納得できないほど、症状が悪化することです。
最も避けたい心の問題を解決しなければ、〝痛みが消えない”って事に向き合う決心がなかなかつかない。
「そんなことをするぐらいなら、この痛みの方がまし」って無意識、潜在意識が判断してしまうからです。
それは、人生の柱で有ったり、心の奥にやっとこさ押し込なだ、そして必死に押し込み続けている事なのです。
痛みと命を比べる、究極の選択かと思います。