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こころと身体・・プラシボー効果
悲しい時、感動した時、涙が出ることが有ります。
緊張すると、額や手のひらに汗が出ることが有ります。
気持ちが昂ると、胸の鼓動が激しくなることが有ります。
気持ちが落ち込むと、身体に力が入らなくなる経験をされたことが有ると思います。
そのように、私たちは、日常的に「心の変化が身体の変化につながる」事を体験しています。
にもかかわらず、「こころと健康」の関係を日常意識されてない方が多くおられます。
「健康の為にはストレス解消法が大切」とお考えの方、例えば、ゴルフ、囲碁、カラオケなどの趣味、美味しいものを食べたり、気の合う仲間と過ごす時間を持っている人は、その意識を持たれている方だと思います。
しかし、病気になった時「病は気から」って言葉が頭をよぎりながら、体操やウォーキングをするように、どれだけの方が、日頃心を鍛えたり、硬くなりすぎた心を解きほぐしたりされているでしょうか?
もう少し、こころと身体の話をしますと、
手のひらを下にして机に手を付けて下さい。
そして、意識をその掌に向けてみて下さい。
机の温度はどうですか、表面の感じはいかがですか、ざらざらしてますか、それともつるつるしていますか?
何気なく置いていた時と違うのがわかりますか?
気持ちを向ける、意識するのとしないことで、これだけ感じ方は違うのです。
気にすることと気にしないことの違いがわかっていただけたでしょうか?
人間は勝手なもので、多くの場合、自身でどう感じるかを決めているのです。
痛みにも同じようなことが言えます。
意識を集中すると痛みが増し、ほかの場所を刺激すると意識が分散され痛みが軽減される。(摩る)
プラシーボ効果とノーシーボ効果というのが有ります。
プラシーボ効果(プラセボ)とは、
薬効成分を含まないプラセボ(偽薬)を薬だと偽って投与された場合、患者の病状が良好に向かってしまうような、治療効果を言います。
薬物そのものの効能ではなく、投薬された安心感や医師への信頼などの心理作用によって症状が改善されることが有るのです。
プラシーボ(Placebo)の語源はラテン語の「喜ばせる」に由来しており、患者を喜ばせることを目的とした、薬理作用のない薬のことを指すようになったと言われています。 プラシーボ効果というのは、生理学的にも心理学的にも、もっとも奇妙で理解し難い現象のひとつで、プラシーボ効果の主体は暗示効果であることから、痛みなどの主観的な症状には効いても、血液検査などの検査値には関係ないと思われがちですが、プラシーボによって、その検査値すら変わることもあるそうです。
ノーシーボ(ノセボ)効果とは
第二次世界大戦前、かつてヨーロッパでこういう実験が行なわれました。 ある国に、ブアメードという名の健康な身体に恵まれた死刑囚がいました。
この死刑囚はある医師から、「いずれ死ぬ運命なのだから最後に世の中のためになること、医学の進歩のために命を捧げてほしい」と持ちかけられました。
それは「人間の全血液量は体重の10%が定説となっているが、我々は10%を上回ると考えているので、ぜひそれを証明したいのでその実験台になってほしい」ということでした。 彼はその申し出を受け入れ、間もなく実験が開始されました。
目隠しをされてベッドに横たわった彼は、
血液を抜き取るために足の全の指先を小さく切開され、足元には容器が用意され、血液が滴り落ちる音が鳴り響く実験室の中で、1%、2%・・・と、1時間毎に累積出血量を聞かされました。 やがて実験開始から5時間が経ち、総出血量が体重の10%を越えたと医師が大喜びした時、この死刑囚は死亡していたというのです。 ところが、この実験、
実は血液を抜き取っておらず、彼にはただの水滴の音を聞かせ、体内の血液が失われていると思い込ませただけだったのでした。
これを「プラシーボ」に対して「ノーシーボ効果」と言います。 人間のこころは不思議で、治ると信じることで「プラシーボ」が現れるように、治らないと信じることで「ノーシーボ」という現象が生まれるのです。
現代の医療はどうなのでしょう?心の問題を軽視したため、多くの「ノーシーボ効果」を生み出してないでしょうか?
検査、検査で疲れている患者が、「どこどこが悪い」と権威を持った医者に言われると、たいていの人は悪い所がなくても、「ノーシーボ効果」という病気を生み出してしまわないでしょうか?
TVで医学の番組があると、病院が混雑するってことも「ノーシボー効果」かも・・・
やはり人間の心とは不思議のものです。